発達障害が世間に知られるにつれ、不注意や多動・衝動など注目されやすいです。
ただ、意外に好きな分野や特異な分野では集中力を維持できたり、ミスも少ないことがあります。
ADHDの多くの方は、独自の視点や豊かな発想を持つことでその才能を生かしたり、衝動性も適切な方向で発揮することで行動力につながるため、社会で十分に活躍できます。
「自分で考えて行動や仕事ができない」とは一般的に下記のように言われています。
- 「指示待ち人間の部下や後輩にイライラしている」
- 「なぜ自分で考えて行動することが出来ないのかと不思議に思っている」
発達障害の特性による「苦手」は人それぞれです。
発達障害は「見えにくく、分かりにくい障害」と言われており、周りからだけではなく、自分自身でも「苦手」が理解しづらいことがあります。
よって職場で大人の発達障害者は「自分で考えて行動や仕事ができない」といわれることも多いようです。
しっかり上司の指示を守って仕事をしているし、何も考えていないように言われてすごく不快…というケースを経験したことがあるのではないでしょうか。
何も考えないで仕事をしているわけではないのに…と悔しい気持ちになりますよね。
上司から「もっと考えて動け!」「どうして考えて動かないの!」ことを指摘されたことがあります。しっかり考えてるんだけどと言い返したくなったこともありますよ。
発達障害者が考えて行動できないと感じさせないために工夫することで結果を変える方法について解説していきます。
【指示待ち人間の病気】と診断?|アスペルガーやadhd
【指示待ち人間の病気】と診断?考える
職場での「考える」とは、「周囲の事情」「仕事の目的」を考慮して主体的に動くことをいうことが多いです。
主に考えるとは下記のことを指します。
1 知識や経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせる。
2 関係する事柄や事情について、あれこれと思いをめぐらす。
3 工夫する。工夫してつくり出す。
4 問いただして事実を明らかにする。取り調べて罰する。
5 占う。占いの結果を判断・解釈する。
考えることができないと、イコール考えていない行動として見えやすいのはないでしょうか。
考えて行動をすることができないと思われてしまう原因を説明いたします。
【指示待ち人間の病気】の特徴|アスペルガーやadhd?
発達障害には、周囲の人や環境との関わりの中で、困難さが生まれてくることで、症状が明確になるという特徴があります。
大人になって仕事を始めてから困難さが生まれてくる場面には、当然違いがあります。
就職をして仕事を始めれば、自分自身が判断をしながらやるべきことの幅が一気に広がり、また複雑になっていきます。
そのような環境変化の中で、それまでは大きな問題にならなかった障害の特性が顕在化するようになり、周囲とのずれがだんだんと大きくなっていき、環境への不適応を起こしてしまう。
高校までの環境の中では、その症状が目立って出てくる場面がなかったから気づかなかった。でも大学や専門学校へ進学すれば学業でも自身が判断をしなければならない場面が対人関係のあり方もより自由度の高いものに変わっていきます。社会人になってより自覚がでてきたんだよね。
【指示待ち人間の病気】の特徴①指示待ち族
与えられた仕事を終えた後や上司の指示を待つときなど、じっとしているだけでは「考えた行動」とは言いにくいです。
特に空き時間、待ち時間での姿勢は目立ちやすく、何もしていないとそれだけで周囲の印象が悪くなってしまうほどです。
また、勝手に動いてはいけない…という意識が強すぎて、何もかも周囲に判断してもらおうとしていませんか?
自分で考えるべきことまでそのたび他者に確認していると、「それくらい自分で考えなさい!」「自分で考えて動いて!」と言われてしまいます。
【指示待ち人間の病気】の特徴②同じミス
同じミスをたびたび繰り返していると、「反省していない」という意味で考えていないと言われることがあります。
本人の中では多少やり方を工夫していても、改善が見られないと「考えていない」と言われやすいです。
仕組み化を考えるしかないのかもしれないですね。
【指示待ち人間の病気】の特徴③指示通り行うだけで、工夫が見られない
上司の指示や周囲の依頼通りに業務を行うことは大切なことです。与えられたことを事務的に行うだけだと、「仕事に対しての思いが分かりにくい」という意味で考えていないと言われてしまう可能性があります。
ASDの特徴として同じ仕事を繰り返すのが得意な人もいます。それも長所かとは思います。ADHDは同じ仕事を飽きてしまうことが多いですからね。
それでは「考えて行動している」と思われやすい行動にはどのようなものがあるのでしょうか。
【指示待ち人間の病気】の実践編|アスペルガーやadhd?
【指示待ち人間の病気】の実践編①主体的に行動する
受け身が良い印象を持たれないのは、真剣さや取り組む姿勢を感じないことです。
受け身は言われたことだけを行っている状態では、そこにあなたの考えがどれだけ入っているかが分かりにくいことが挙げられます。
どうすれば指示通りにできるか考えているのかもしれませんし、指示があるから自分では何も考えずに事務的にやっているのかもしれません。
受け身のままだと、周囲はこの判別ができません。
「待つ姿勢」「受け身姿勢」を改善し、主体的に考えていくことが大切になります。「仕事に向かっていく」姿勢が大切になるのでしょう。
【指示待ち人間の病気】の実践編②上司と相談して主体的に動くように試みる
主体的な行動をとれるのでしょうか。
自分で考えて行動しただけでは、「勝手」になってしまう可能性もあります。
難しいことかもしれませんが、職場の上司とよく相談していくことが大切です。組織に対し自分の役割を把握する必要性があるでしょう。
上司と相談して「聞いて確認してからでないと動けないもの」「自分の判断も必要なもの」を区分けしておくことで行動しやすくなります。
【指示待ち人間の病気】の実践編③工夫を考え自ら提案する
与えられていることを事務的にこなすだけでは、周囲にやる気が伝わりません。同じ業務であっても「常に成長したい」という気持ちを持つことが大切です。
「どうやったらもっと早くできるだろう」「どう工夫すればミスをなくせるだろう」と自分なりに考えて、改善策を常に探していくことも「考えたうえでの行動」になります。
案するだけでも意欲が伝わりますし、そこで上司とすり合わせていくことで、より効果的な改善策になるのです。
【指示待ち人間の病気】の実践編④課題を把握し解決策を組み立てる
考える力は、「行動」「調整」「提案」という前述した要素に加えて、「④課題把握」は土台となる要素です。
課題把握ができていないと、行動」「調整」「提案」が活きてきません。
目的を明確にして「目的を実現するため」の課題把握を行うようにしてください。
まとめ:【指示待ち人間の病気】なの? 特徴や原因や診断|アスペルガーやadhd
発達障害は、「見えにくく、分かりにくい障害」であり、同じ診断名であったとしてもその特徴は十人十色です。
自身の「障害特性」を理解することが、生きづらさ・働きづらさと付き合う上で最も大切なことです。
「自身で理解をする」ことからスタートし、「苦手への対策(セルフケア)ができるようになる」、そして「周りに伝えられるようになる」ことで、生きやすさ・働きやすさを目指すことができます。
そのために考えて行動をするためには、職場の人間とのコミュニケーションが重要なのですね。
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