ADHDが特性で向いている仕事の選び?特徴や仕事の種類を解説!

ADHDが特性で向いている仕事の選び?特徴や仕事の種類を解説!転職成功のポイントも紹介

ADHDによる職業上の困難を抱えている人が多くなっていると言われています。

「もしかしたら自分はADHDかもしれない」と感じている方や、医療機関でADHDと診断された方の中には、「仕事が楽しくない」「今の仕事を早く辞めたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今の職業を続けられるのか、この就職先で大丈夫か…あなたも、そういった悩みを抱えていませんか?

大人のADHDの特性から職場での対策、特性に合った仕事などをご紹介します。就職や転職をしたいと考えてはいるものの一歩踏み出せずにいる方は、ぜひご参考にしてください。

本記事では、ADHDの方に向いている職業から、仕事探しをするときのポイントまで、徹底解説いたします

目次

ADHDが特性で向いている仕事の選び?特徴や仕事の種類を解説!

ADHDが特性で向いている仕事の選び?特徴や仕事の種類を解説!

ADHDとは?

ADHDが特性で向いている仕事の選び?特徴や仕事の種類を解説!
ADHDとは?

ADHDとは、注意欠如多動性障害(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)を意味する発達障害の一種です。

脳の機能の発達や成熟にかたよりがあることが原因だとされていて、根本的に治療することは難しいですが、自身の特性を理解して対処法を身につけていったり、家族や友人、職場の方などに特性を理解し受け入れてもらったりすることで、生きづらさの解消につながります。
また、心療内科や精神科などの医療機関で診断を受ければ、障害特性を抑えるための薬物療法や、「認知行動療法」や「ソーシャルスキルトレーニング」などの心理療法を受けることができま

ADHDには多くの特性がありますが、その中でも下記の2点がよく見られるものとして挙げられます。

今回は、この代表的な特性に絞ってご説明します。

  • 不注意…忘れ物やケアレスミスが多く、確認作業を苦手とする
  • 多動・衝動性…気が散りやすく、貧乏ゆすりなど常に身体を動かしていないと落ちつかない

その他にもよく挙がる特徴として、「マルチタスクやスケジュール管理が苦手」といったものがあります。

こうしたADHDは、以前は子ども特有のものと考えられていました。

しかし、2013年にアメリカ精神医学会の定める『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』で成人のADHDが規定されたことで、自分の職業や仕事の進め方に悩んでいる「大人のADHD」が話題を集めるようになったのです。

基本的には上記の「不注意性、多動・衝動性」が前面に出やすい特徴がある、というだけです。

必要以上に深刻に考える必要はありませんので、ご安心ください。

ADHDの特徴は?

ADHDの特徴は?
ADHDの特徴は?

ケアレスミスが多いなどの「不注意]

  • 注意がそれやすく集中力が続かない
  • 忘れ物や物をなくすことが多い
  • ルールや約束を守るのが苦手
  • 片づけが苦手
  • 段取りを立てるのが苦手

突発的な行動が多いなどの「多動性・衝動性」

  • 我慢やじっとしているのが苦手
  • TPOをわきまえずおしゃべりをしてしまう
  • 思ったことをすぐ言ってしまう
  • せっかちで待つことが苦手
  • よく考えずに独断で行動してしまう

ADHDの人の強み?

ADHDの人の強み?
ADHDの人の強み?

ADHDの人の職業上の強みは、例えば下記の5つを挙げることができます。

  • 発想力や独創性に富んでいる
  • 好奇心が強い
  • 感受性に優れている
  • 決断力があり、スピーディーに物事を判断できる
  • 興味のあることはとことん追求できる

好奇心が強い

好奇心や意欲が強いので、どんどん前へと進んでいきます。常識や前例を気にせず、初めてのことにも抵抗なくチャレンジができます。

感受性に優れる

さまざまなものから刺激を受けやすく、良いと思ったことは意欲的に行動します。周囲の変化や新しい情報に敏感で、また、人なつこいところもADHDの長所です。

決断力があり、スピーディーに物事

多動・衝動性の特性をポジティブに捉えると、「行動力」があり、「決断力」が高いと言えます。いつまでも迷い続けることが少ないので、判断を保留せず素早く結論を出します。決断力だけではなく、すぐ行動に移すことができるので成果を上げるのも早いです。

興味のあることはとことん追求

普段は不注意が目立つ方でも自分が好きなことには抜群の集中力を発揮するので、作業のスピードが上がります。プライベートでも趣味を存分に楽しむことが、ストレス解消につながることも。

ADHDの人の弱み!仕事の悩みにつながりやすい

ADHDの人の弱み!仕事の悩みにつながりやすい
ADHDの人の弱み!仕事の悩みにつながりやすい

ADHDの人が仕事を進める上では、どうしても弱みになる面もあります。

こちらも代表的なものを5つ挙げてみましょう。ADHDの人が抱えやすい職業上の困難だと言われています。仕事探しをする際には、上記の弱みができる限り表れにくい職業を考えることが大切です。

  • 整理整頓が苦手
  • 忘れ物や記入漏れなどのケアレスミスが多い
  • スケジュール管理・タスク管理が苦手
  • 気が散りやすい
  • 興味のないことに取り組むのが難しい

整理整頓が苦手である

整理整頓が苦手である

ADHDの方は片づけがとても苦手なので、デスクやロッカーなどが物であふれゴチャゴチャになってしまう傾向があります。大切な書類などをどこに置いたか忘れてしまうため、捜すのにも時間がかかり、仕事に支障が出てしまうこともあります。

ケアレスミスが多い

ケアレスミスが多い

何かに気をとられると他のことは忘れてしまうのがADHDの特性です。必要なものを忘れてきて、上司や同僚に迷惑をかけてしまうことも多いでしょう。記録や報告などを忘れずに記入することも苦手です。

スケジュールやタスク管理が苦手

スケジュールやタスク管理が苦手

仕事の優先順位を考えて、段取りを組むことが苦手な方もいます。目先のことに気をとられやすいので、今やっている急ぎの仕事を先送りにしたり、大事な予定を忘れてしまったりすることも多いです。

気が散りやすい

気が散りやすい

ひとつのことに集中できる時間が短いので、会議中に他のことで気が散ってしまい大事な話を聞き逃すこともあります。注意力散漫な様子を見た上司や同僚から、「ふまじめ」「真剣さに欠ける」といった評価を下されてしまうこともあります。

興味のないことに取り組むのが難しい

興味のないことに取り組むのが難しい

ADHDの方は、関心のないことに取り組むのが苦手です。仕事を始めても、興味が持てなければ気持ちが向かないため注意が散漫になり、作業の手が止まってしまうケースも見られます

ADHDの特性で仕事を続けるため

ADHDの特性で仕事を続けるため
ADHDの特性で仕事を続けるため

ADHDの特性は、長所にも短所にもなることがお分かりいただけたかと思います。短所になりやすい特性についても、ご自身の特性を理解し対策をすることで、トラブルを避けることができます。では、仕事についてはどんな対策をすれば良いのでしょうか。

整理整頓の時間をつくる

ADHDの方にとって、仕事をしながら整理整頓をするのは難しいことなので、片づける時間を定期的につくるようにするのがおすすめです。仕事が終わった後や昼休みの時間を整理整頓の時間と決めて、毎日の習慣にすると苦手な片づけも実行しやすくなります。

チェックリストをつくる

小さなメモ帳を常に持ち歩いて、大切なことを書きとめていくようにします。就業時間の前に「今日やるべきこと」をリストアップしておくと、後で忘れることが少なくなります。スマホのメモアプリを利用するのも良いですね。

スケジュール・タスク管理表を作成

仕事の予定や課題をまとめた管理表を、自分が使いやすいように作成します。日々のチェックリストとあわせて活用すると便利です。管理表を上司に見せて確認してもらうのも良いでしょう。

前日に準備

ADHDの方は忘れ物が多いので、持ち物の準備を出かける間際ではなく、前日のうちに済ませておくようにしましょう。早めに準備しておくことで、忘れ物が減りますよ。

職場に自分の特性を伝えておく

ADHDの特性を職場に伝えることも必要です。上司や同僚の理解が得られれば、対策を一緒に考えてもらうこともできるでしょう。

ADHDの職業ではたらくには確認持ち物などは前日に準備しておく

ADHDの職業ではたらくには確認持ち物などは前日に準備しておく
ADHDの職業ではたらくには確認持ち物などは前日に準備しておく

それでは、ADHDの人に合った職業を見分けるための具体的なチェックポイントを見ていきましょう。

適職を探す上で重要なのは、「ADHDの症状の中でも、自分はどの症状が特に強いかを見極めること」です

今回は、先ほど紹介したADHDの2つの傾向である不注意、多動性・衝動性の視点から、それぞれの仕事探しのポイントをまとめました。

もちろん、このようにADHDの方々をはっきりと分類できるとは限りません。

しかし、「不注意、多動・衝動性のどの傾向が自分にとって強いか」を認識しておくことは、今後の役に立つかもしれません。

ADHDが原因で仕事がうまく進められずに転職を考えている方や、これから就職先を探そうとしている方は、ぜひ以下のタイプ別チェックポイントを参考にして、あなたに合った職業を考えてみてください。

とは言え、自分の強みや弱みは、あなた一人ではわかりづらいものです。

実際に仕事を探すときは、客観的に強みや弱みを判断してくれる人や専門機関の助力を仰ぐことをオススメします

不注意の傾向が強い方:慎重さを求められない職業

ミスや物忘れが多い不注意の傾向が強い人は、「慎重さを求められないかどうか」を基準に職業を考えるとよいでしょう

このタイプの人は、細かな事務仕事や確認作業にあまり向いていません。

見落としや忘れ物をしやすいため、誰かがカバーする必要が出てきます。

つまり、特に不注意の傾向が強い人は、ミスが許されない職業は避けた方がよいということです

電車の車掌やバスの運転手のような職業に就くと、ちょっとした不注意が大きな事故に繋がる可能性があります。

上記を考慮した上で、ふだん様々な考えが頭に浮かんで集中できないという不注意型ADHDの方は、その豊かな発想力や独創性を活かせる職業を検討してみてください

クリエイティブな仕事は発案と実行が大切なので、細かな事務作業の入り込む余地が少なくなります。

上記のような不注意性の強いADHDの人は、慎重さの代わりに企画力が試される職業に就くと活躍できるでしょう。

多動・衝動性の傾向が強い方:じっとすることを求められない職業

じっとしているのが苦手な多動・衝動性の傾向が強い人は、「じっとしなくてもよいか」を軸に職種を選びましょう

このタイプの人は、内勤よりも外勤が基本になる職業や、出張が多い業種に就くと能力を活かせる可能性があります。

また、詳しくは後述しますが、ADHDの人に向いている職業を考える上では就労形態も大切です。

特に、多動・衝動の傾向が強い人の中には、淡々とした日常の繰り返しが苦手な人もいます。

そのため、就労時間や業務内容が固定されている仕事には、あまり向かない可能性があります。

反対に、フレックス制やフリーランスに多い職業に就くことで、成功しやすくなることもあるでしょう

多動・衝動性の傾向が強い人は、行動力を活かすことのできる、自由度の高い職業を探すとうまくいく可能性があります。

ADHDの人が活躍できる仕事の種類!転職成功のポイント

ここからは具体的にADHDの人に向いている職業の例を見ていきましょう。

繰り返しになりますが、ADHDの特性(強み・弱み)は、共通する部分がある一方、人によって異なります。

また、各職業の環境も、それぞれの職場や業務内容によって異なります。

これから紹介する職業はあくまで例であり、「この職業じゃないと向いていない」という意味ではありません。

「それぞれの職業がなぜオススメなのか」「実際のあなたに向いていそうか」「環境の合う求人がありそうか」などについて、就労移行支援施設や就職エージェントなどにも相談しながら検討することで、あなたに向いた職業がきっと見つかるはずです

不注意の傾向が強い方に向いている職業

不注意の傾向が強い人には、以下のようなクリエイティブ系の職業であれば活躍できるかもしれません。

  • デザイナー
  • アニメーター
  • イラストレーター

不注意型ADHDの人は、作業中でも取り留めのない考えやアイディアが浮かびやすく、それが不注意の原因になっている場合があります。

行動力を活かせる職業

多動・衝動性の傾向が強い人には、テキパキと行動できる性質を活かした以下のような職業が合うかもしれません。

  • 営業職
  • ジャーナリスト
  • カメラマン
  • 起業家

一か所に留まることが少ない職業のため、多動・衝動性の傾向が強い人に向いている場合があります

「営業職として営業先を回る」「ジャーナリストとして取材に行く」「カメラマンとして撮影場所を転々とする」「起業家として様々な事業を立ち上げる」などが、特性の活かし方として考えられるかもしれません。

ただし、多動・衝動性の傾向が強い人の中には、段取りを頭の中で組み立てながら、並行して作業をするのが苦手な人も多いです。

そのため、後述する「作業のリスト化」や「自分専用のマニュアルを作る」といった仕事の工夫が必要になってくるという点は覚えておいてください

興味と集中力を活かせる職業

  • プログラマー
  • エンジニア
  • 研究者

ADHDの人は、関心分野と職種の専門性が合致したときには、素晴らしい成果を発揮できる可能性があります

発達障害に関する著書を多く残している福島学院大学大学院教授の星野仁彦先生は、専門的な資格を取ることでなれる専門的技術職こそがADHDの人の一番の適職だと明言しています。(引用:星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち〈職場編〉』)

興味が持てる分野は人によって異なりますので、上記の3つの職業が必ずしも適職であるとは限りません。

関心分野への専門知識や技能を活かして、作曲家や音楽家などの芸術方面へ進むケースもあるかもしれません。

それゆえ、大切なのは「自分が何に関心を持っているのかを吟味すること」、その一方で「自分の特性を理解して、苦手なことを避けること」です

ADHDの人にあった働き方のポイントは「自由度の高さ」

続いて、職業ではなく「ADHDの人にあった働き方」という観点でオススメを紹介します。

一部のADHDの人に向いているのは、「自由度の高い」働き方です

具体的な就労形態としては、以下の3つを挙げることができます

  • 裁量労働制
  • フレックス制
  • フリーランス

特に多動性の傾向が強い方に向いている労働形態と言えるかもしれません。

裁量労働制とフレックス制はどう違うのかといった疑問もあるかと思いますので、順に詳しく見ていきましょう。

裁量労働制

裁量労働制とは、実際の労働時間ではなく、残業時間・残業代も含めてあらかじめ定められた労働時間分の給料が発生する、みなし残業制の一種です

労働者の裁量で残業や業務の進め方を決められるため、自由度の高い働き方となっています。

主に経営に関わるような企画業務や、保守開発といった技術性を求められる専門業務で適用されることが多いです。

先に挙げたプログラマーやエンジニアといった職種の中には、この裁量労働制を行うものもありますので、ADHDの人には馴染みやすい就労形態といえるかもしれません。

ただし、会社によっては、「あらかじめ定められた残業時間」と「残業代を含む給料」のバランスが悪かったり、事実上残業時間が非常に長くなったりすることもあります。

ですので、就職や転職にあたっては、「この会社の裁量労働制は、実際はどのように機能しているか」を確認するようにしましょう。

フレックス制

フレックス制とは、始業と終業の時間を固定せずに、労働者本人にゆだねる就労形態を言います

一定期間における総労働時間を定めることで、その範囲内であれば1日単位での始業と終業の時間は労働者本人で決めることができます。

例えば、今日は朝9時から夕方6時まで働く、明日は昼12時から夜9時まで働く、といったような働き方が可能です。

裁量労働制と似て見えるかもしれませんが、フレックス制は、基本労働時間・残業時間などについて実際の労働時間が測られるのに対して、裁量労働制では実労働時間を測られない、という根本的な違いがあります。

とは言え、フレックス制も完全に自由というわけではありません。

たいていの企業は、必ず労働していなくてはならない「コアタイム」が設定されている点に注意が必要です。

例えば、「午後2時から午後4時までは必ず労働する」というような設定があるということです(コアタイムがない会社もあります)。

フレックス制もIT関係やデザイン職でよく用いられる労働形態のため、これらの職業に就いているADHDの方には馴染み深い働き方でしょう。

フリーランス

フリーランスとは、組織に属さずに個人で業務を請け負う働き方を言います

近年では、インターネット環境の整備やクラウドサービスの浸透によって、フリーランスとして時間や場所を気にしない働き方も行いやすくなっています。

フリーランスは、システムエンジニアやWebデザイナーといった職種に多く、自由度は最も高いと言っていいでしょう。

ただし、「仕事を取る努力」は会社員よりも大変なことも多く、また、「仕事がないとき」には収入もなくなります。

そして、社会保険の加入手続きや法人税の申告等も、基本的には自力でやらなければなりません。

行動力を活かせるADHDの人向きの働き方とは言えるものの、収入やマルチタスクには注意しておいた方がよいでしょう。

ADHDの人が活躍がむずかしい職業

ADHDの人が活躍できる職業・働き方を紹介してきました。

反対に、活躍しづらい職業にはどのようなものがあるのでしょうか?

一般的に、ADHDの人には、スケジュール管理を求められる仕事や事務仕事が向いていないと言われています

代表的なものを3つ挙げてみましょう。

  • 秘書
  • 経理
  • 総務

1番目の秘書のように細かなスケジュール調整が必要となる職業は、ADHDの方には向いていないことがあります

2番目の経理と3番目の総務は、細かな作業が必要となる事務職の代表例ですね

経理職は淡々とした作業をこなすことが基本となる上に財務管理を行うため、ミスに厳しい職種です。

一方、総務は扱う業務内容が多岐にわたるため、一見するとADHDの人の多動性を活かせるように思いますが、マルチタスクをする必要があるので、ADHDの場合は作業効率がガクンと落ちることがあるかもしれません。

また、いずれも内勤で行動力を活かせないという点も、ADHDの人にはネックになってくるでしょう

とは言え、上記に挙げた職種でも、仕事を上手に進めている方がいるのは事実です。

そこで次の項目では、活躍しづらい職業に就いた場合にADHDの人ができる仕事術を紹介いたします。

活躍しづらい職業でもできるADHDの人の仕事するには?

ADHDでは活躍しづらい業務の担当になった場合でも、仕事を続けることは充分に可能です。

その際には、「ADHDの弱みを補う仕組みづくりをする」ことが重要になってきます

ミスをカバーする準備ができていれば、安心して仕事に取り組めますよね。

以下に挙げる5つの仕事術は、日常業務の中で実践できる簡単なものに厳選しましたので、ひとつずつ確認していきましょう。

期日を守るようにする

ADHDの特性上、順序立てて計画を立てることが苦手な方がいます。
先の見通しを立てる力が弱いため、最初は同僚や上司の力を借りながら経験を積んでいきましょう。

  • 一つの仕事の工程を細分化してリスト化し、それぞれかかりそうな時間を見積もって記載する
  • 同僚や上司に見せて、だいたい見積もりが合っていそうか確認してもらう
  • リストに沿って仕事に取り組み、見積もりとの誤差が生じたら実際の時間を記録する
  • 誤差が埋まらないようだったら周りに相談し、このまま進めても良いかアドバイスをもらう

整理整頓する時間をあらかじめ決めておく

ADHDの人は、あらかじめ整理整頓する時間を決めておきましょう

ADHDの人は掃除が苦手なため、机の上を散らかったままにしがちです。

そして他の業務に気を取られるあまり、大切な書類をなくすまで放置するということが往々にしてあります。

こうした事態を避けるために、整理整頓だけをする時間を取るとよいでしょう。

これは物理的なレベルにとどまらず、思考のレベルにも応用してほしい仕事術です

先述したように、ADHDの人は優先順位を決めて行動することが得意ではありません。

締切が迫っているにも関わらず、つい先延ばしにすることがあります。

そのため、「頭の中を整理整頓する」ということも、ADHDの人が仕事を進めていく上では大切なのです。

一日のうち短い時間でかまわないので、整理整頓の時間を取るようにしましょう。

リスト化を徹底する

仕事術の2つ目は、「リスト化の徹底」です

これも整理整頓に似たものになりますが、見落としや忘れ物が多いADHDの方は、やるべきことを失念することが多いです。

こうした抜け落ちは、タスクリストをつくることで回避できます

するべき仕事を書きだして、任務が完了したら線を引いて消す習慣をつけるようにしましょう。

自分だけのマニュアルをつくる

オススメしたい仕事術の3番目は、「自分だけのマニュアルをつくる」です

仕事をしていると、前任者からの引き継ぎを受けるような場面もあるでしょう。

その際には、口頭説明だけでなく、マニュアルも一緒に渡されるかもしれません。

しかし、それはあくまでも前任者にとって最適な作業手順であって、ADHDであるあなたにとって最適だとは限りません。

特にADHDの人は仕事の進め方にこだわりを持っている場合もありますので、自分が理解しやすい仕方で業務をまとめた方がよいでしょう

加えて、ADHDの人は、一般的なマニュアルに注意書きのないところでも、ミスを避けるために自分なりにアレンジして追記する必要が出てきます。

新しく業務を引き継いだ際には、自分専用のマニュアルを作成するようにしましょう。

メモ帳とペンを常に持ち歩くメモ帳とペンを常に持ち歩く

ADHDの人は、メモを取ろうと心掛けていても、肝心のメモ帳とペンを忘れるという場合があります。

そのため、小さいサイズのメモ帳とペンをスーツの胸ポケットに入れるなどして、常に携帯できる工夫をするとよいでしょう。

ADHDの人にとって、メモを取ることは特に有効です。

というのも、注意力が散漫になりがちなため、他の情報に気を取られて耳から入ってきた情報を記憶するのが困難だからです。

そのようなときにメモ帳があれば重宝します。

手を動かすことは、集中力を保つという意味でも効果的な手段のひとつです

ぜひ日頃からメモ帳とペンを持ち歩いて、メモをつける習慣を身につけてください。

メモをつける際には、「メモ帳をなくす」「メモが乱雑になり、後で見返した際に読めなくなる」といった点にも注意をしましょう。

ゲーム要素を取り込んでみる

先ほども挙げた医学博士である星野仁彦先生は、ADHDの人はゲームやネットなどにはまりやすく、寝るのも忘れてのめり込む傾向が顕著だと指摘しています。(参考:星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち』)

これは同時に、ゲームやネットにはまりやすい傾向を利用できれば、仕事に対しても集中力を切らさずに取り組めるということを意味しています。

タイムアタック形式のようにどれだけ早く作業を終えられるか計測してみたり、一緒に仕事をしている同僚とどちらが多く契約を取れるかを競ってみたりるなど、仕事の中に勝負事を持ち込んでみるとよいでしょう。

ゲーム要素を取り入れることで、興味を持ちづらい事柄であっても意欲的に取り組めるようになるはずです。

ADHDの人が自分に合った職業を探すためにできること

ADHDの症状を解説した上で、タイプ別に向いている職業例などを紹介してきました。

最後に、この章では、ADHDの人が自分に合った職業を探すためにできることを紹介します。

職探しをする上では、悩みを一人で抱え込まずに、専門機関に頼ることをオススメします

これから解説するように、ADHDの人が頼れる支援機関は、たくさんあります(無料で利用できるものもたくさんあります)。

医師やカウンセラーに相談

まずは「医師やカウンセラーに相談してみる」ことが大切です。

「特性に関する悩みならともかく、就労の悩みは医師に話すべきでない」と思う方もいるかもしれません。

しかし、ADHDに伴って生じる悩みである以上、専門医はそういった相談も受け付けていますから、安心して悩みを打ち明けてみてください

継続して診てもらっているかかりつけ医であれば、あなたの特性にも詳しいはずですから、あなたに合ったアドバイスを得られるでしょう。

また、現在、医師の診断しか受けていないという人は、専門の臨床心理士・公認心理師などによるカウンセリングを受けるのも一つの手段です。

カウンセラーの中には、発達障害を持つ方の悩みを専門的に扱っている人がいます(そうでないカウンセラーでも対応は可能です)。

もちろん職業に関する悩みにも耳を傾けてもらえますので、お困りの方はカウンセリングも視野に入れてみてください。

ハローワーク

ハローワークには、障害や疾患のある人の就労を支援する窓口「専門援助部門」があります。

また、仕事に関する相談やカウンセリングの実施のほか、障害や疾患のある人を対象にした求人の紹介などをおこなっています。

専門の支援機関に手伝ってもらう

  • 発達障害者支援センター
  • 地域障害者職業センター
  • 障害者就業・生活支援センター

発達障害者支援センター」では、確定診断が下りていなくても、ADHDの傾向に伴う困難があれば、相談を受け付けています。

また、「地域障害者職業センター」と「障害者就業・生活支援センター」では、就労に関するお悩みや職業相談を受け付けているので、特に仕事のことでお困りの方に向いているかもしれません。

いずれの支援機関も、基本的には無料でサービスを提供しています。

また、ADHDに特化していなくても、「ハローワーク」や「職業訓練校」などで、専門的な職業訓練を受けながら、「どんな仕事が自分に合っているのか」を考えるのもよいでしょう。

どの支援機関に頼るのがよいかわからない場合には、通常は、お住まいの自治体の障害者福祉の担当部署が窓口になっていますので、そちらに問い合わせてみてください。

就労移行支援事業所に通所

就労移行支援事業所とは、一般企業への就労を目指す障害や疾患のある人の求職から就職までの一連の過程をサポートする事業所です。

利用者は事業所に通い、職業訓練や、面接や履歴書対策などの就職活動のサポート、就職後の定着支援などを受けることができます。

LITALICOワークスは、「企業に就職したい」「働きたい」という思いを持っている方に対して、ビジネススキル向上のためのワークショップ、ご本人にマッチした求人開拓、就職後の対人関係サポートまで、一人ひとりの自分らしい働き方の実現に向けて、一貫したサービスを提供しています。

障害特性への理解があるスタッフにより、精神障害・身体障害・知的障害のある方に限らず、発達障害や難病のある方など幅広い方に利用いただける環境を整えています。
また、自分に合った働き方を見つけるために数多くの企業で実習できる機会を提供しています。

障害者手帳をお持ちでない方でも利用可能な場合がありますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。

実際、障害者職業総合支援センターの調査研究によれば、職場定着支援を受けた人とそうでない人で、1年後の職場定着率に20%近い差が出ています。(出典元:障害者職業総合支援センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」)

障害者枠を検討

最後は「障害者枠を検討してみる」です。

求人・雇用の中には、「障害者枠」というものがあります。

障害者枠とは、文字どおり、「障害者を対象とする求人・雇用枠」のことです(障害者枠ではない求人・雇用のことは「一般枠」と言います)。

障害者枠雇用であれば、ADHDの特性や程度に応じて、職場から業務内容や業務量への配慮を得ながら働くことができます(ただし、通常は障害者手帳の取得が必須です)。

これまで「一般枠」で働いてきた発達障害の方は、「障害者枠」に移ることで、これまでと同じ職業であっても、就労のつらさを軽減できるかもしれません

一方で、障害者枠は、一般枠に比べると、給与や昇進などのキャリア面において、水準が低いこともよくある話です。

まとめ

障害者枠と一般枠のどちらにするかは、あなたのADHDの特性や程度、経済状況、生活と仕事の優先順位などを総合的に考えて判断することが大切です。

発達障害は、生まれつき脳の発達の偏りによって生じるといわれています。

そのため、就職してから仕事において「困りごと」や「生きづらさ」で悩むこともあります。

しかし、自分に合った仕事に就き、コミュニケーションの仕方や自身の行動に対する工夫の仕方を学ぶことで、安心して長く働き続けることは十分可能です。

もし、休職・退職後に復帰を目指す場合は、ぜひ専門の支援機関をご利用ください。

LITALICOワークスでは「就労移行支援」「就労定着支援」「相談支援」の3つのサービスを提供しています。

ぜひいつでもお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

精神障害者保健福祉手帳 保持者&障害年金受給者身体です。今は発達障害の就労支援に通っています。

障害手帳もちで会社はクビになり今は無職です。この発達障害のブログを作成することが心の支えです。家族もローンもあります。発達障害でも頑張れるを皆様にお届けします
オンラインだからこそできるサポートを大切にしていきます。

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