発達障害の場合、症状があっても、精神科や心療内科などの専門機関から確定診断が下されない場合があります。「傾向がある」に留まり、診断名がつかない状態がグレーゾーンです。
確定診断を下すには、発達障害の複数ある診断基準を満たす必要があります。症状があっても似た症状を持つ他の疾患である可能性もあるからです。
発達障害のグレーゾーンとは?ADHDやアスペルガー

診断がつかない=症状が軽い、というわけではありません。
・発達障害の症状がいくつか出ているが、診断基準を満たしていないため正式な診断がでない
・医者に発達障害(自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠如・多動性障害(ADHD)など)の傾向がある
と言われた状態のことであり、正式な病名・診断ではありません。
グレーゾーンなら症状は軽いのか?
個人の調子や状態には幅があり、受診した時の状態や精神科医師の問診によって結果は変わることがあります。
本当に調子が悪い時はそもそも外出することが困難なこともあります。
診断がないことによって、周囲から理解されなかったり、自分を責めてしまうことが続くと、「うつ病」や「適応障害」といった別の状態も発生してしまうことがあります。これを「二次障害」と言います。
自分の状態がわかり、必要な支援や治療やサポートを受けられることが大切です。
幼少期の状況について、当事者や家族の記憶が曖昧な場合、診断に必要な情報が得られず、発達障害と判断できないケースもあります。

ほかにも受診日の体調によって症状が左右されたり、医師によって見解が分かれたりといったこともあるので、日を改めて受診したりセカンドオピニオンを求めたりすることも必要となってきま
発達障害のグレーゾーンは就労支援に通所や相談できる?ADHDアスペルガーASD

発達障害と診断されなかったからといって、日常生活に支障をきたす症状があることに変わりはありません。そのため、グレーゾーンの方も治療や就職支援など何らかのサポートが必要になります。
サービスを提供している発達障害支援施設はいくつかあります。
その多くが利用に際して医師の診断書や障害者手帳が必要になります。
ですが、グレーゾーンの場合は確定診断が下されていないため、いずれも取得は困難です。ただし、相談できる機関はあります
発達障害のグレーゾーンの方の相談のおすすめが就労支援!ADHDやアスペルガー

発達障害の診断が下らなければ支援施設の多くは利用できませんが、全くないわけではありません。
一方で、発達障害の確定診断は出来なかったとしても、
医師が「支援を受ける方が望ましい」という判断をされた場合、
医師からの「意見書」を作成してもらえる場青もあります。
利用するには手帳が必要、という機関であっても、相談だけなら受けられるという仕組みをとっている所が多いです。
悩みを抱えている方はぜひ相談してみましょう。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害のある方の自立と社会参加の支援を目的とし、医療から職業訓練まで一貫した体制で必要なケアを提供しています。
相談に障害者手帳は必須ではないため、グレーゾーンの方が受けられるサービスについて確認してみましょう。
センターは全国各地にあります。
発達障害の「グレーゾーン」の就労支援の通所や相談とは別の対処法!ADHDやアスペルガー
発達障害の「グレーゾーン」の方には、どのような対処法をとればよいのでしょうか。
ここでは、「グレーゾーン」の方への3つの対処法について解説していきます。
発達障害の特性への工夫を参考にする
医師から「傾向がある」と指摘された発達障害の特性について調べ、仕事などを行う上で困りごとが出てこないように工夫を実践することをお勧めします。
例えば自閉症スペクトラム障害の傾向があるグレーゾーンの人の場合には、思ったことを実際に口に出す前に一度考えたり、質問して確認したりする習慣を身につける。
相手が怒っていてその原因が分からない時には第三者に指摘してもらうように頼む、自分の希望通りに物事が進まない場合のための「変更プラン・替わりのプラン」をいくつか準備しておく、といったようなことが人間関係や仕事場でトラブルを起こさない、またはトラブルを起こしてしまっても大事に発展させないための工夫となります。
発達障害の傾向があるグレーゾーンの人の場合でも、その発達障害の傾向に応じた対処法を行うことで、一般の方と同じ職場で困りごとを少なくして働くことが可能になります。
二次障害の症状がないかを確認する

発達障害を持つ方は、その障害の特性から「生きづらさ」を感じていることが多いです。
そのため二次障害としてうつ病などの精神病を二次障害として患うことも少なくありません。
このような二次障害は、グレーゾーンの方にも現れやすいという特徴があります。
まとめ
うつ状態が続いたり、睡眠が上手くとれないなどの症状がある場合には、早めに精神科や心療内科を受診し、二次障害が深刻にならないうちに治療を受けるようにしましょう。
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