発達障害という言葉を見聞きする機会が増えてきました。支援体制も整いつつあります。

抱えながらも発達障害と診断されないグレーゾーンの人たちもいます。
発達障害のグレーゾーンの特徴をします。
仕事上の問題点と向いている職種、相談先について説明します。
発達障害のグレーゾーンとは?適職や仕事は?


発達障害のグレーゾーンとは正式な診断名はありません。
発達障害と見られる症状はあるものの、障害と確定しておらず、白黒つかない灰色の状態にあることです。
発達障害のグレーゾーンがなぜ起こるのでしょうか。また、その原因とグレーゾーンにおける問題点について解説します。
グレーゾーンは確定診断を下されていない
発達障害の場合、症状があっても専門機関から確定診断が下されない場合があります。「傾向がある」に留まり、診断名がつかない状態がグレーゾーンです。
確定診断を下すには、発達障害の複数ある診断基準を満たす必要があります。症状があっても似た症状を持つ他の疾患である可能性もあるからです。
そのため、一つ、二つの症状がどんなに日常生活に支障が出るほど強く出ていることがあります。
他の基準を満たしていなければ発達障害の確定診断が下されないことがあります。
診断がつかない=症状が軽い、というわけではありません。
幼少期の状況について、当事者や家族の記憶が曖昧な場合、診断に必要な情報が得られず、発達障害と判断できないケースもあります。
ほかにも受診日の体調によって症状が左右されたり、医師によって見解が分かれたりといったこともあるので、日を改めて受診したりセカンドオピニオンを求めたりすることも必要となってきます。
グレーゾーンだと必要な支援を受けられない
発達障害と診断されなかったからといって、日常生活に支障をきたす症状があることに変わりはありません。そのため、グレーゾーンの方も治療や就職支援など何らかのサポートが必要になります。
サービスを提供している発達障害支援施設はいくつかありますが、その多くが利用に際して医師の診断書や障害者手帳が必要になります。ですが、グレーゾーンの場合は確定診断が下されていないため、いずれも取得は困難です。
症状があるにも関わらず必要な支援を受けられないのは、グレーゾーンが抱える大きな問題点のひとつでしょう。
二次障害を引き起こす可能性がある
グレーゾーンは、二次障害を引き起こす可能性もあります。
障害の診断が下りなかった場合、家族や同僚から「障害でないのなら単なる甘えや怠けだろう」と見なされがちです。配慮すべき事情がないと当然のことながら、周囲と同じやり方で結果を出すことを求められますし、結果が出なければ本人の努力不足とされてしまいます。
先に述べたように、診断がつかない=症状が軽い、ではありません。
発達障害の基準は満たしていなくても、同じ先天的な原因から起こる症状であれば、本人がいかに努力しても結果につながりにくいことに変わりはありません。そうした事情を無視して周囲からさらなる努力を強いられると、過剰なストレスによりうつ病や不安障害などの精神病を発症してしまうことがあるのです。
発達障害のグレーゾーンの向いている仕事や適職・職業は?


発達障害の症状を抱えて就業するには職場の理解と協力が不可欠です。
しかしグレーゾーンの場合、支援を求める根拠となる診断書が出ないため、障害者枠での就職や、就業時に障害を提示するオープン就労は選択できません。
そのため、症状について配慮を受けられないクローズ就労をせざるを得なくなってしまいます。
自分に合っていない方法で仕事に必要な技能や知識を習得し成果を出す必要がありますが、実力を発揮しにくいため正当な評価を得ることは極めて困難でしょう。
おすすめな職種は下記のページで説明しています。
- 研究者
- エンジニアアナリスト
- 校正・校閲
- プログラマー など
なお、ASDのグレーゾーンの方、社内にそう思われる社員がいるという方は、自身もアスペルガーで、発達障害カウンセラーの吉濱 ツトムさんによる「隠れアスペルガー」についての記事を読んでみてください。仕事がうまくいくヒントが見つかるかもしれません。
まとめ
発達障がいのある方は特性をご本人、もしくは周りの人が理解していれば、得意なことを活かして働くことができます。それはグレーゾーンの方もしかりです。
診断が下りないことで、生きづらさ、働きづらさを感じている方、そのご家族の方は、ご紹介した相談先を利用することをおすすめします。
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