マルチタスクが苦手なADHD!二つのことを同時にできない場合の対策方法や適職は?

マルチタスクが苦手なADHD!二つのことを同時にできない場合の対策方法や適職は?

「マルチタスクが苦手だけれど業務上やらなくてはならない」
「どういう対策をすればADHDの特性をカバーできるの?」
「マルチタスクが苦手でもできる仕事は?」
「ADHDに関する具体的な仕事の悩みを相談できるところは?」

ADHDや発達障害の方の、「マルチタスクが苦手」という特性をカバーするためにできる対策を解説します

目次

発達障害の方がマルチタスクを苦手とするのはなぜ!ADHDやASD

発達障害の方がマルチタスクを苦手とするのはなぜ!ADHDやASD
発達障害の方がマルチタスクを苦手とするのはなぜ!ADHDやASD

マルチタスクとは、一般に、業務を並行的に進めたり、同時に処理したりすることを指します

ADHDやASDの方が、マルチタスクを苦手とする理由として、以下の2つを挙げることができます。

  • タスクに限らず、物事の整理整頓が苦手
  • 新しいタスクやアイデアに気を取られやすい

ADHDの方の中には、「物事の整理整頓が苦手」という特性を持つ人が多いです。

は決められた予定が急に変わることに対する不安があるからです。決められたことはその通りに進めることができるのですが、横から入り込んできたタスクには、何をいつまでにどこまでやればいいのか分からず、パニックになってしまうのです。

このような特性を持つ場合、未処理の業務が増えると、タスクそのものを失念したり、スケジュールを確認せずに先延ばしにしたりしがちなのです。

、物事の整理が苦手なことによって、タスクそのものを忘れてしまったり、新しく入ったタスクがあると、優先順位を見失ってしまうことが多くあります。自分がやりたいことに注力して、他のタスクが先延ばしになる、なんていうことも珍しくありません。

結果として、複数のタスクを抱え込むと、それだけ抜け漏れや先延ばしが出てくる危険性があるのです

アイディアは浮かぶ特徴はある

アイディアは浮かぶ特徴はある
アイディアは浮かぶ特徴はある

また、ADHDの方は発想力に富むため、次々に新しいアイデアが浮かぶという特徴があります

新しいアイデアが浮かぶこと自体はよいことかもしれません。

しかし、それゆえに着手しようとしていたタスクが意識から脱落したり、新規の案件に気を取られて優先順位を見失ったりするケースが少なくないのです。

こうしたADHDの特性が、マルチタスクを困難にしている要因と考えられます。

マルチタスクが苦手な発達障害やADHDの方の困り事

マルチタスクが苦手な発達障害やADHDの方の困り事
マルチタスクが苦手な発達障害やADHDの方の困り事

マルチタスクが苦手なADHDの方は、様々な場面で困り事を感じやすいです。

よくある困り事を3つ紹介します。

ミスや物忘れが頻発する

1つ目は、「ミスや物忘れが頻発する」という困り事です。

急な依頼や新しい案件の方に気を取られやすいため、1つのことに集中して正確に処理をするのが難しいのです

結果として、ミスや物忘れが頻発し、業務処理に支障をきたします。

業務の向き・不向きの差が大きい

2つ目は「業務の向き・不向きの差が大きい」という困り事です。

ADHDの方は、対応力や柔軟性は高いものの、精密さや細やかさに欠けるため、厳密なスケジューリングや正確な処理を求められると、力を発揮しづらいと言われています

例えば、窓口業務と事務処理を同時に進めるようなマルチタスクを求められる仕事だと、事務処理の方の正確性が著しく落ち、ケアレスミスをしやすくなる傾向にあります。

それゆえ、次のように、業務の向き・不向きがはっきりしやすいとされています。

  • 営業はできるけれど事務が苦手
  • 口頭での説明は得意だけれど資料作成が苦手

どの職種を選べばいいのか

「どんな職種を選べばいいかわからない」です。

程度の差はあれ、マルチタスクはほとんどの職種につきものです。

仕事では、様々なタスク(電話応対、会議資料の作成、事務書類の処理、打ち合わせ、業務の進行や進捗管理など)を、突発的な案件に対応できる余裕も考慮に入れながら、並行的に進めることが求められます。

ところが、ADHDの場合、特定の業務に取り組んでいると他の業務のことを失念しやすく、パフォーマンスを発揮できる職種がないと感じるケースもあるようです

結果として「どんな職種を選べばいいかわからない」という悩みも、ADHDの人によくある困り事になっています。

マルチタスクが苦手な発達障害・ADHDの方はパニックする前に相談

マルチタスクが苦手な発達障害・ADHDの方はパニックする前に相談
マルチタスクが苦手な発達障害・ADHDの方はパニックする前に相談

マルチタスクが苦手なADHDの方が、その対策などを考える上で大切な前提は、次の3つです。

  • (1)試行錯誤して自分に合った方法を見つけていくこと
  • (2)発達障害のサポート機関に相談
  • (3)同時並行が苦手なのか、割り込みが苦手なのかを意識した上で、「具体的に困った話」を記録する

試行錯誤して自分に合った方法

(1)については、書籍やインターネットで解説されている対策は、人によっては「合う・合わない」があります(次章で紹介する対策も同じです)。

ADHDの特性の程度は人それぞれですし、ASD(自閉症スペクトラム障害)やLD(学習障害)といった、異なる発達障害の傾向を併せ持つ人もいます。

そのため、あくまでも方法論は参考として受けとめて、あなたに合った対策を試していくことが大切なのです

就労支援など発達障害のサポート機関に相談

そして、実際に試行錯誤を重ねる際には、(2)のように、就労移行支援事業所など、専門家のアドバイスを受けながら自分に合う働き方を見つけられる支援団体に協力を求めるのがよいでしょう。

同時並行が苦手なのか、割り込みが苦手なのかを意識する

その上で、(3)「同時並行が苦手なのか、割り込みが苦手なのかを意識した上で、『具体的に困った話』を記録する」について補足します。

「マルチタスクが苦手」には、大きく分けて「同時並行の苦手」と「割り込みの苦手」があります(両方の場合もあります)。

二つのことを同時にできない発達障害・ADHDの方ができる対策

二つのことを同時にできない発達障害・ADHDの方ができる対策
二つのことを同時にできない発達障害・ADHDの方ができる対策

ToDoリスト

対策の1点目は「ToDoリストを作る」という方法です。

「ToDoリスト」とは、業務の中で実際に取るべき行動、これから「すべきこと」に焦点を絞って項目化したものです。

理想的なToDoリストは、「記載事項を淡々と実行するだけで、目標達成や課題解決に至る」リストです

実際に処理が終わったら、その項目を線で塗りつぶしたり、末尾に「済み」と記載したりと、ステータス管理をすることも大切です。

そうすることで、タスクの進捗状況が把握できるだけでなく、達成感も得られるため、モチベーションも上がるというメリットも期待できます。

このようなタスクのリスト化は、マルチタスクをしなくてはならないときに、自分のするべき仕事を見失わないための道しるべになります

自作のメモ帳などが向いている場合もあれば、アプリやエクセルなどが向いている場合もあります(アプリもたくさんあります)。

いくつか試して、ご自分に合いそうなToDoリストを見つけてみましょう。

周囲の人にリマインド依頼

3点目は「周囲の人にリマインドをお願いする」です。

ADHDの人は、何かの案件に取り組んでいるときに別の案件が舞い込むと、新しい方に気を取られて、元々行っていた案件を後で思い出せなくなるということも多いです

周囲の人と予定を共有して、リマインドをお願いしておくことで、それを防げます。

思い出すための時間を削減できますし、失念することも減るはずです。

マルチタスクに伴う困難を一人で解決しようとせず、周りの同僚やご家族に協力してもらえることがないかを考えてみましょう

「人に頼むのは迷惑かも…」と思う方は、「頼まなかった結果として仕事が滞る方が迷惑」と考えるようにするといいかもしれません。

ただし、他の人も自分の仕事を抱えていますので、他の方法も同時に試していきましょう。

優先順位を付けて順番に片付ける

「優先順位を付けて順番に片付ける」ことも大事です。

スケジューリング(マルチタスク)は、タスクを列挙した上で、急ぎの案件と時間をかけられる案件の区別をつけることで成功させられるからです。

仕事の状況は日々変わりますので、「今日の優先順位は、毎朝9時に確認する」など、ルールを決めた上で優先順位を都度、見直すようにしましょう

ただし、タスクの内容が苦手だったり好みじゃなかったりするものだと、優先度が高くてもなかなか着手する気になれないこともあるかもしれません。

そのようなときは、「とにかく今日はこの案件だけは片付けよう」など、タスクの絞り込みをすることでうまくいく場合もあります。

と、言うのはカンタンですが、「優先順位づけにも苦労がある」というのもよく聞くお話です。

また、「あなたの考える優先順位」が、「上司・部下・顧客などの考える優先順位」と一致するとも限りません。

職場の雰囲気や忙しさにもよりますが、「抱える業務の優先順位は、必ず上司に確認する」というのも一つの方法です

手帳・メモ帳・スマホを携帯してすぐにメモを取る

「手帳・メモ帳・スマホなどを常に携帯して、タスクが発生したら、すぐにメモを取る習慣をつける」というのも効果的な対策です。

そうすることで、注意散漫による物忘れなどを防止することができます。

ADHD向けのクリニックを開院している福西勇夫先生は、「アイデアが思い浮かんだときにはひとまずメモしておいて、『書き留めたらToDoリストをまず確認する』といったルール設定をすると、効果が上がりやすい」と述べています。

アイデアをメモすることは、「もしかしたらこのアイデアを忘れてしまうかもしれない」という焦りを軽減できて、安心にもつながるそうです。

次々に浮かんだアイデアに翻弄されて時間が過ぎることが多いというADHDの人は、手帳やメモ帳をポケットに入れるなど、携帯するための工夫をしてみてください

リストをすぐに引き出せるようにする

4点目とも関連して、5点目は、「リストをすぐに引き出せるようにする」です。

これには「タスクをすぐに記録できるようにする」「タスクを確認しやすくする」という2つの目的があります。

マルチタスクを管理するためには、リスト(メモ帳など)が机の上や引き出しの中に埋もれていたり、工程表のファイルがPCのアクセスしづらい階層に保存していたりすることはやめるようにしましょう。

メモ帳・手帳・スマホなどは机・カバン・ポケットの決まった場所に配置したり、パッと確認できるところに掲示したりするのがオススメです。

アプリやExcelなどを利用するなら、スマホを開いてすぐにアクセスできる場所や、PCのデスクトップ上など、目につきやすいところに配置するようにしましょう。

タスク管理の媒体をできるだけ一つにまとめる

6つ目は、「タスク管理の媒体をできるだけ一つにまとめる」です。

タスクを記入する媒体は、できるだけ一つのファイルや手帳にまとめましょう

急いで書き留めたメモがあったなら、すぐにメインの媒体に集約することが大切です。

そうすることで、マルチタスクによるタスク管理の難しさを緩和できるはずです。

ADHDの方の中には、「メモを付ける習慣は身についているけれど、手帳、ノート、電子ファイルなど、複数の媒体に記録が散らばっている」ということがあります

メモの媒体を分けると、確認が大変なだけでなく、整理整頓が苦手な性質がわざわいして、別の書類などに埋もれて忘れる可能性があるのです。

整理整頓だけする時間を作る

7つ目は、「整理整頓だけする時間を作る」という方法です。

ADHDの方は、「マルチタスクをして作業に追われているうちに収拾がつかなくなる」と感じていることが珍しくありません。

一日のうちに「整理整頓だけする時間を作る」ことで、自分の行動や抱えているタスクを一度落ちついて見直すことができるようになります。

まずは、時間の枠を設定することから始めましょう

その時間に、付箋やメモなどを一つの媒体に転記してまとめたり、優先順位を再検討したりすれば、タスクの見通しがずっとよくなるはずです。

アプリやツールを利用する

最後にオススメしたいのは、「アプリやツールを利用する」ことです。

すでにご紹介したToDoリスト以外でも、スマートフォンの内蔵アプリや、Googleの提供しているアプリのように、効果的なタスク管理を可能にする無料のツールがたくさんあります

設定した時間になると画面上にアラートを表示する「リマインダー機能」が付いているものもあります。

また、近年はADHDの特性をカバーすることを目的に開発されたタスク管理ツールが注目を集めています

マルチタスクが苦手なADHDや発達障害の方の仕事の適職は?

マルチタスクが苦手なADHDや発達障害の方の仕事の適職は?
マルチタスクが苦手なADHDや発達障害の方の仕事の適職は?

マルチタスクが苦手なADHDの方の仕事の向き・不向きの具体例を見ていきましょう。

ただし、ADHDの特性には、共通する面だけでなく、人によって異なる面もあります。

また、労働環境や細かい業務内容も、お勤め先によって異なります。

それゆえ、ここで紹介する仕事はあくまで一例であり、「この仕事なら必ず向いている・向いていない」という意味ではありません

「マルチタスクが苦手なADHD特性があっても向いている仕事はある」という安心材料にしていただいた上で、「実際のあなたに向いていそうか」「環境の合う求人がありそうか」などについては、就労移行支援施設や就職エージェントなどにも相談しながら検討することをオススメします。

向いている可能性がある仕事

マルチタスクの苦手なADHDの方には、以下のような「クリエイティブ系の仕事」が向いているかもしれません。

  • デザイナー
  • アニメーター
  • イラストレーター
  • カメラマン

上記の仕事は、「比較的、シングルタスクの積み重ねで成り立つ仕事」と考えられるからです。

もちろん、スケジュール管理や事務仕事は、ないわけではありません。

その上で、計算や書類作成の合間に打ち合わせや電話応対が舞い込んで、マルチタスクを余儀なくされる状況が比較的少ない、ということです。

また、起業家や実業家のように、庶務よりもアイデア出しや企画立案に重点が置かれていたり、細かなスケジュール管理は補佐役や秘書がしてくれたりする仕事も、向いている可能性があります。

活躍しづらい仕事の例

反対に、マルチタスクが苦手な場合は、以下のような仕事だと活躍しづらいかもしれません

  • 経理職
  • 総務職
  • 秘書担当

上記の仕事は、庶務・雑務が発生しやすく、細かい単位のマルチタスクが求められます。

また、処理の正確さ、スケジューリングの厳密さなども問われます。

よって、「苦手なマルチタスクの機会が多い→ケアレスミスが頻発する→修正処理に追われてパニックになる」という流れが比較的発生しがちなのです

 マルチタスクに悩む発達障害やADHDの方の相談先

マルチタスクに悩む発達障害やADHDの方の相談先
マルチタスクに悩む発達障害やADHDの方の相談先

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所では、病気や障害と向き合いながら一般企業への就職を目指す方向けに、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを提供しています。(参考:厚生労働省※PDF「就労移行支援事業」)

就労移行支援事業の対象となるのは、以下の条件を満たす方です。

  • 原則18歳から65歳未満であること
  • 一般企業への就職または仕事での独立を希望していること
  • 精神障害、発達障害、身体障害、知的障害や難病を抱えていること

障害者手帳は必須ではなく、専門医による診断書があればサービスを受けることができます

具体的な支援内容は事業所によって異なりますが、あなたの障害特性に合わせた「個別支援計画」に基づいて、職業相談からメンタル面の相談、基本的なタスク処理の訓練や専門スキルの習得、インターン先から就職先の紹介までと、幅広いサポートを行っています。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害の早期発見と早期支援を目的として、症状に悩む当事者や家族の生活をサポートする支援機関です。

大人の方も支援の対象です。

また、確定診断が下りていなくても、ADHDなどの発達障害の可能性がある方であれば、相談が可能です

センターによっては、精神保健福祉士や社会福祉士などが在籍していますので、より「発達障害に特化したサポート」を受けられる点に特長があります。

具体的な支援内容は自治体ごとに異なりますが、生活上の相談の他にも、就労支援事業として、ハローワークなどの関連機関と連携した求人に関する情報提供や、就業先への障害特性に関するアドバイスなどを行っています。

窓口は、各都道府県や指定の事業所に設置されていますので、支援をご希望の方は以下の参考リンクからお近くの相談窓口を探してみてください。

障害者就業・生活センター

障害者就業・生活支援センターでは、就業及びそれに伴う日常生活上の支援が必要な障害のある方に対し、センター窓口での相談や職場・家庭訪問などを実施しています。

そのため、仕事に関する相談だけでなく、生活面でのサポートもあわせて受けたいという方にオススメです

厚生労働省の資料によると、2019年5月時点で334センターが設置されており、当事者の身近な地域において、就業面と生活面を一体に捉えた相談と支援を行っています。

興味のある方は、下記サイトを参考に、お近くの事業所にご相談ください。

■厚生労働省
障害者就業・生活支援センター

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターでは、発達障害に限らず、障害者一人ひとりのニーズに応じて、職業評価、職業指導、職業訓練などの専門的な職業リハビリテーションサービスを提供しています。

とりわけ、自分に合った職業や職種が見つからないことで悩んでいるADHDの方にオススメです

運営は、「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」が行っており、全国47都道府県に設置されています。

また、当事者だけでなく、事業主に対しても障害者の雇用管理に関する相談・援助を実施しています。

 まとめ〜発達障害やADHDの特性でも就労支援など相談しましょう。

ADHDの方がマルチタスクを苦手とする理由から、具体的な対策、向いている仕事までを一挙に紹介してきましたが、あなたの就労に役立てられそうな情報はありましたか?

特性に伴う「苦手」をカバーするために大切です。

  • 施行錯誤して自分に合った方法を見つけていくこと
  • 自分一人でなんとかしようとせず、発達障害のサポート機関と話をすること
  • 同時並行が苦手なのか、割り込みが苦手なのかを意識した上で、「具体的に困った話」を記録する
マルチタスクが苦手なADHD!二つのことを同時にできない場合の対策方法や適職は?

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

精神障害者保健福祉手帳 保持者&障害年金受給者身体です。今は発達障害の就労支援に通っています。

障害手帳もちで会社はクビになり今は無職です。この発達障害のブログを作成することが心の支えです。家族もローンもあります。発達障害でも頑張れるを皆様にお届けします
オンラインだからこそできるサポートを大切にしていきます。

コメント

コメントする

目次
閉じる